初心者向けお食事パン2種

フォカッチャ&ベーコンエピ

女王は煮物や総菜系ばっかりで、パンは今まで焼いたことがございませんでした。城下へ出れば美味しいパン屋さんがいっぱいあるので、買って食べるものだと思っていたのです。ところが、コロナ自粛のためステイキャッスルしないといけなくなりました。そこで、重い腰をあげてパンを自作することにしたのです。

そんな女王ですから、今回ご紹介するパンは「ど素人でも格好がつく」がコンセプトです。パンをすでに極めた方にはちゃんちゃらおかしいレベルだと思いますので、あんまり自信がないわという方へ、こんなど下手でも作れるよという見本をお見せいたします。さあ、女王と一緒にレッツトライ。

基本の生地の分量と「こね」

パンの生地っていろんなレシピがございまが、女王が今回ご紹介するパン生地は「扱いやすい」ことをポイントに置いております。強力粉だけでなく、薄力粉をプラスすることで、練りやすく失敗しにくい生地になります。そのぶん、グルテンが少な目でふんわり膨らませる食パンなどには向きませんので「フォカッチャ」「ベーコンエピ」という、膨らみがなくても美味しいパンに絞り込みました。

基本の分量

  • 小麦粉……薄力粉100g+強力粉200g
  • 水……200cc
  • ドライイースト……4g
  • 塩……小さじ1
  • 砂糖……小さじ1
この生地で2つのパンどちらも作れます。あとはそれぞれのメニューによって、使用する食材がプラスされます。バターも卵も牛乳も入れないレシピですので、慣れてきたらお好みで工夫してみてください。

1次発酵までは同じ行程です

最初に、小麦粉、塩、砂糖、イーストをよーく混ぜておきましょう。「イーストと塩はなるべく離して」と書いてあるレシピをよく見かけますが、イーストに塩が直撃すると活動が停止してしまうからだそうです。ただ、どっちにしても混ぜますので多少のダメージはあります。女王の場合は、イーストの上に塩を置かないように気をつければ、あとはなんとかなると思ってやっております。粉類がよく混ざったら、次は水を入れて混ぜます。最初から手を突っ込むと、手がベタベタになってしまいますので、女王はある程度まで固めのゴムベラで混ぜて、粉が水分を吸い込んでから手でこねるようにしています。

粉がまとまってきました。さあ、いよいよ手を入れて混ぜましょう。あんまり力を入れなくても大丈夫ですよ。女王は腱鞘炎ですが、二つに折っては上からつぶす、90度に回転させてくり返す……の方法で、楽にこねております。

5分くらいこねました。パンの先生なら、この表面がつるつるになるまでこねなさい、と仰るのでしょうが、女王はここでやめます(笑)今日のパンはふっくら生地を味わうものではないので、発酵の力にあとはバトンタッチ。少々粗くても、一次発酵が終わったらなめらかになっている……はずです(祈

丸く形を作り、とじ目を下にしてボウルに入れます。このまま温かいところで30分~1時間ほど置きましょう。女王の家のオーブンはスチーム発酵ができるので、冬場はそれを使って発酵させますが、夏場はエアコンを切って室温放置、または冷蔵庫の上の温かい場所(常に放熱しています)に置いておきます。

※フォカッチャの場合はここでオイルをかけます。下記のフォカッチャ手順をご参照ください。

こちらは40分経過。おお~、2倍以上に膨らんでますね。もういけそうです。もし、膨らみが足りないようならもう少し置いてください。指をズボッと突っこんで、穴が開いたままになっていれば、だいたい発酵は完了してます。あまり長く置くとアルコール臭がきつくなるので、放置しすぎないよう注意してください。

これを手で押さえるようにしてガスを抜き、数回こねて再びまるくきれいに形作っておきましょう。では、以下は2つのパンごとにそれぞれの手順を説明します。

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フォカッチャコースはこちら

フォカッチャはイタリアの平焼きパン。お食事に合いますし、もちろんそのままでも味わい深いです。こちらは成型を行いませんので、発行後の手順がとてもかんたんです。「あんまり難しいことはしたくないわ」という方にはぴったり。初めてパン焼きをする方にもおすすめなお気軽パンです。

オイルをダーっとかけて発酵させます

上記の発行手順で※印をつけた段階、1次発酵をする前にオリーブオイルをかけておきます。量は大さじ2杯程度。けっこう入れます。膨らんだ後でもいいのですが、膨らむ前にかけておくと生地の乾燥防止にもなります。

そして、1次発酵が終わった後は、オイルを生地に練り込んでこねこね。とても弾力のあるなめらかな生地になります。ここらの写真を撮っていないのは、手が油まみれでどうしようもなかったとお察しくださいませ(笑)

好きな形にめん棒で広げて2次発酵

オーブンの予熱を始めましょう。女王の厨房のオーブンですと、220度が良い具合です。ただし、オーブンは機種によってクセがありますので微調整してください。

天板の上にクッキングシートを敷き、真ん中に生地をドンと置きます。あとは好きな形に手で押さえながら伸ばしていきます。めん棒がある方は、コロコロすると表面がきれいに伸びます。四角、丸、オーバル、好きな形でOK。小さく作りたい方は、生地をカットしてから天板の上で押し伸ばしてください。

穴をポコポコ、塩とハーブ

女王はこのような形にしてみました。イタリア料理店で出てくるフォカッチャは、たいてい大きいのをカットしてあるイメージがあります。形が決まったら、そのまま15分~20分ほど布巾やラップなどをかけて休ませ、軽く2次発酵をさせます。

少しふっくらしたら、たっぷりのオリーブオイルをハケで塗り、指やフォークでプスプスと穴をあけて「私はフォカッチャです」という意思表明をします。でないと大きなハッピーターンみたいに見えます(※)。そして粒の大きい塩とハーブをぱらぱら。今回のハーブはローズマリーを使いました。オレガノやタイムも好きです。黒オリーブを乗せても美味しいですし、そこらはお好みでアレンジを。

※本当は膨らみすぎないようにするためらしいです;

220度で15分焼いたら出来上がり

予熱が終わったら、220度で15分焼きます。焼き時間もオーブンによるので、10分すぎたあたりから注意しておいてください。火力が強い機種だとこげてしまいます。女王家では15分でこの色、もう少し深い色にしたい場合は2~3分延長してください。

切ってみます。表面はぱりっと歯ざわりよく、中はもちっとしています。少し粗熱を取って、落ち着いた辺りがいちばん美味しいです。

ボナペティ。ザクッとした表面と、中の弾力のハーモニーが最高♪女王はぺろっと1/4くらいは食べてしまいます。ワインにもとても合いますので、おつまみとしても優秀なパンです。

ベーコンエピコースはこちら

フォカッチャよりちょっと難しいですが、作りがいのある「ベーコンエピ」。家でこんなの焼けたら素敵ですよね。と、いうことでチャレンジしてみました。成型(形作り)が面倒なパンなので、手先に自信がない方はシンプルなパンをいくつか焼いてからの方がいいかもしれません。

生地を作る個数にカットして

300gの小麦粉だと、普通サイズが5本焼ける分量なのですが、女王のオーブンは一度に3本しか焼けないので、特大サイズを3本にしました。ここらはお好きに調整してみてください。打ち粉を振ってカットするのですが、あら~、3分割だと見ただけでもでかいですね(笑)

どんなパンでもそうですが、形を作る際には表面に裂け目やキズがない、つるっとした状態で焼かないと割れてしまいます。そのため、いったん丸く手の中で形を整え、「とじ目」を下にして落ち着かせます。とじ目は、指先でつまむようにすると、粘着力のある生地が出てきますので、それを糊の代わりにしてペッタンコと閉じます。ここらは慣れですね、そのうち上手になります。

丸くした生地を、棒状に伸ばしていきます。決して引っ張らないでください。打ち粉をした台の上でコロコロ。やがて白いナマコのような物体になります。これをめん棒で平たくして(頑張れば手でもできます)、長い小判のような板にします。長さはベーコン+左右1~2㎝くらいを目安に。

ベーコンを巻き込んで成型します

ここからがテクニック要の部分です。まず、長く伸ばした生地に、ベーコンを置きます。最後の巻き終わりは、とじ目にする生地が必要ですので、やや手前よりにしておいてください。

ベーコンだけでも美味しいのですが、ちょこっと粒マスタードを塗ってあげると、ぐーんと味わいがアップします。黒コショウもいいですね。お子様にはマヨネーズで。

具材のセッティングが終わりましたら、手前1㎝を内側に折り込みます。これが巻きのスタート地点になるわけですね。慎重に、丁寧に。

そして、全体をくるくると巻いていきます。ここまで来たら、今度はとじ目作りです。生地の端を指でつまみ、粘りが出たらくっつけて閉じていきます。

まだ粗く閉じていますが、この部分をつまんで本体にペタッとくっつけ、なめらかに整えます。じゃないと、ここから焼いてるうちはがれてくるんですよ~

緊張の一瞬、カッティング

白いナマコが3本できました。ここに来て「やはり大きすぎた」と後悔した女王です。賢い皆さんはどうかもう少し小さめでお焼きください。

しかしこうなったからには仕方ねぇ(あらいやだw)天板に並べて焼きに入ります。ベーコンエピは最後の最後にあの形にカットします。とても崩れやすいので、カットした後に移動できません。ご注意ください。

ではいきます!キッチンハサミをご用意いただき、このように斜めに深くカット。ためらうとガタガタになるので、シャキッと一発で決めてくださいませ。このときの角度が深ければ、どんがったエピ、浅めの角度なら丸っこいエピになります。女王はエピ(麦の穂)らしくシャープなとんがり型に。

そしてその切り口を交互に左右に(人によっては左右と真ん中)に振り分けると、このようなおなじみのベーコンエピの形になります。……って、口で言うのはかんたんですが、切った後に手で振り分けようとすると、生地がやわらかいので崩れやすいし、中身が出てしまう危険性があります。

女王の場合は、切ったそのままハサミに乗せて、そーっと左右に振りました。ちょっと崩れたところは、後でバターナイフで修復、というように。慣れないうちは慎重にいかないと、ここで大失敗、ということも起こります。

霧吹きをしてパリッと焼きます

形がきれいに整ったら、15分ほど休ませた後に、予熱をしたオーブンで焼きます。成型中も発酵が続いていますし、あんまり長く置くと膨らんで型くずれしますので、ほどほどに。オーブンに入れる前に霧をたっぷり吹いておくと、焼き上がりの表面がパリっとします。女王はけっこうたっぷりかけました。

これを250度で10分~12分焼くのですが、女王のオーブンは最高で230度までしか上がりません。なので230度で12分焼いてみて、ちょっと焼き色が不満だったので3分足しました。これがこの焼き上がりです。

どうでしょう、見た目はいい感じじゃないですか? お味のほうも、パン屋さんに売ってあるのとそんなに変わらない感じでした。パンを焼くのはこれで3作目なのですが、頑張ればできます。女王が証明いたします。

ちなみに、第一作はカンパーニュ。わずかなイーストでオーバーナイト発酵させた、かなり上級者向けのパンです。最初から飛ばしました(笑)でも、ちゃんと丁寧に作ればできるものですよ!