シンプルで丈夫な「やっとこ鍋」
久々にお道具コーナーです。今日は先日購入した「やっとこ鍋」について。「矢床鍋」とも書きます。日本料理の厨房ではおなじみの鍋なのですが、一般のご家庭で使ってる方は少ないんじゃないでしょうか。女王は城下での修行時代、板前のお爺さんのお店で見習いを致しましたので、このお道具には馴染みがあります。長年使っていた鍋がご臨終あそばしたので、こちらを買ってみました。もう、使いやすいのなんのって♪
取っ手がないので収納と洗浄がラク!
お鍋のビジュアルはこんな感じです。「え、取っ手がないわよ」と思われるでしょうが、それが「やっとこ鍋」の由来。和の厨房では、これをヤットコではさんで使います。ちょっとコツがいるけど、慣れると非常に機能性が高いです。何しろ横のこんろの鍋に柄が当たらないし、収納するときも重ねて場所を取りません。
そして何より嬉しいのが、「洗うのがラク」ということです。ボウルと同じで、つるっと洗えば汚れが落ちます。細かい凹凸がないので、汚れがたまらないのが有難いです。
鍋底は無敵の3㎜厚!
女王が購入したお鍋は、厨房用品では日本トップクラスの「中尾アルミ」のものです。選んだポイントは、何といってもアルミの質です。全体に手作業による打ち出しが施され、火の当たりや熱の周りが理想的になるよう作られています。そして注目したいのが、アルミの厚さが底で「3㎜」。これはかなりの厚板になります。同じような鍋で1㎜くらいからありますが、全く!まぁぁぁぁったく!使用感が違いますので、ここは厚板1本勝負で!
大きさは15㎝と18㎝、使いまわしサイズ
サイズはいろいろあるのですが、女王が買ったのは15㎝と18㎝です。本当は21㎝も欲しいのですが、女性だと中身を入れたままヤットコで持ち上げるのがきついかもです。というか、やっとこ鍋は小さめが真骨頂です。軽くてさっと使えて小回りが利く。少量の青菜や、一人分のみそ汁の温め直しなど、少人数の家庭なら重宝すること間違いなしです。
こちら15㎝のサイズ感。女王のデカい手と比べてください(笑)小さめのどんぶりくらいですね。目盛りが刻んであり、内側から見えますので「500㏄の出汁を取りたい」なんてときにも大活躍です。また、「少量の煮物は上手に炊けない」という方にもおすすめしたいです。これなら少量でも具材に汁がかぶりますし、しっかり対流しますので、美味しく炊けます。
実は1000円ちょっと……激安なんです
「でもお高いんでしょう?」という声が聞こえてきましたので、ここで衝撃の事実を。なんと、15㎝で1000円台前半です。普通の家庭用のお鍋より安いですよね。しかも一生使える頑丈さなので、かなりお買い得だと思います。通販でけっこう売ってます。Amazonでもバリエーション多かったです。女王が買ったのはいちばんシンプルなタイプ。(リンク貼るとエラーになるので「中尾アルミ」で検索してみてくださいませ。
和え物をするときなど、ボウルの代わりにも使ってます。中身を入れっぱなしにするとアルミが劣化するのでNGですが、それ以外は丈夫でがんがん使えます。
パングリッパーを使ってます
上記で「ヤットコで持ち上げる」と書きましたが、女王はこういうものを使っております。「パングリッパー」というのですが、ティファールなど着脱式の調理器具をお使いの方なら、手に馴染んでいるのではないでしょうか。女王は握力が弱いうえに腱鞘炎ですので、もうヤットコは自信がなく、こちらの道具を購入しました。
1000円~1500円くらいです。縁がまっすぐな焼き網や天板、グラタン皿などにも使えます。
こんな感じです。ちなみに……これでティファールを挟んでみました。ちゃんと挟めますけど、少し力がいりますね。それと逆に、ティファールのハンドルでやっとこ鍋も挟めますが、少し安定が悪いかも。中身がこぼれると怖いので、それぞれの道具を使った方がいいと思います。
「やっこと鍋」のお手入れは?
やっとこ鍋を含め、全てのアルミ製品に共通するお手入れをご紹介します。ちょっとくたびれたアルミ鍋があったら、ピカピカにしてみませんか?まずは購入後の下ごしらえから――。
使う前に「酸化被膜を作ります
買ってすぐにやっておきたいのが「酸化被膜」の形成です。アルミ鍋は煮炊きした中身の成分に反応して、黒ずみができます。別に身体に悪いものではありませんが、見た目が悪いので最初にそれを被膜でブロックしておきます。やり方は以下の通り。
ざっと洗ったアルミ鍋をコンロに置き、「米のとぎ汁」または「水と野菜くず」を入れて火にかけます。水の量はなるべくたっぷりと。これをコトコト30分ほど小さく沸騰させ、火を止めてそのまま冷ましたらOK。女王はくず野菜でやりました。これをしておかないと、すぐにまっ黒になってしまいます。
黒ずみには「クエン酸」が効く
最初に被膜を作っても、使っているうちに黒ずみは起こります。女王のお鍋、これはまだうっすらですけど、だんだん見た目的に辛くなってきたら、リセットしてあげましょう。アルミ鍋はそれができるんです。
黒ずみの部分がかくれるくらいに水を入れ、15㎝鍋でティースプーン3杯くらいの「クエン酸」を入れて煮ます。30分くらい静かに沸騰させたら湯を捨て、洗剤でしっかり洗ってください。その後、米のとぎ汁か野菜くずで被膜を作ります。半年に1回くらいこれをやっておくと、いつもお鍋はきれいです。
なお、「レモンを煮る」と書いてあるサイトもあります。レモンにもクエン酸が含まれているのでよろしいのですが、レモンはお高いので……(笑)お掃除用のクエン酸で十分です。もし研磨剤や金属タワシを使う場合は、目の粗いものは避けてください。アルミはがっつり傷が入ります。そうなるともう直りませんので、要注意です。