夏のスタミナ!肉おかず3品

安いお肉で豪華なメイン料理

夏はついついさっぱりしたものを食べたくなりますが、夏バテしないよう良質なたんぱく質は必須です。女王はもうステーキや焼肉は年に1回くらいでいいお年頃になりましたので、ボリューム控えめなお肉料理を作っています。お安く買える「鶏のむね肉」「豚こまぎれ」で、堂々とメインを張れる肉おかず、夏にぴったりの3品ご紹介します。

鶏むね肉のバンバンジー

鶏のむね肉の難点は、パサパサしてしまうこと。これを解決するために、女王家ではいつも茹でてほぐした胸肉を使います。「それがいちばんパサパサするやつよ~」と思った方も多いでしょう。しかし、下ごしらえでしっとり感を出すことができます。女王式のサラダチキン、まずはそこからいってみましょう。

室温から茹でて室温まで冷ます

お鍋にむね肉を並べ、かぶるくらいのお水を注ぎます。温度は室温です。白ねぎの頭(緑)の部分、生姜の切れ端を一緒に放り込むと風味が増しますが、なくても大丈夫。そこへお酒をむね肉1枚につき大さじ1杯ほど入れ、弱火にかけます。

なかなか沸騰しませんけど、強火だとお肉が硬くなるのでじっとガマン。ようやく沸騰したら10分くらい煮て火を止め、そのまま室温まで冷まします。火にかけている途中、水が少なくなったら足してください。常に水の中にお肉があるように。

お肉が冷めたら手でほぐします。細かさはお好みで。粗くほぐしておくと、後で細かくもできますので、ここは大まかでいいと思います。そしてほぐしたお肉を保存容器に入れたら、茹で汁をその上からタラ~っと回しかけます。量はむね肉1枚につき、お玉1杯くらいでしょうか。よく混ぜて全体に汁気を行きわたらせます。この旨味の詰まった汁を、お肉が吸い込みます。これがしっとり仕上げのポイントです。(特に重要な部分を太字にしておきました)

タレは「ねりごま」であっという間

ここまで来たら、あとはタレを作るだけ。材料は、ねりごま、砂糖、酢、醤油が基本です。ねりごまはスーパーで袋入りのが売ってます。これはゆるめなので、和え物には最適ですね。固いのがいい人は、中華の材料店で瓶入りが見つかると思います。

作り方は、最初に酢を大さじ1×人数分ボウルに入れ、そこへ好みの甘さの砂糖を入れてよく溶かします。女王の厨房では一人分ティースプーン1杯弱くらいでしょうか。前女王(女王のオカン)はもっとたくさん入れます。めちゃ甘のバンバンジーです。この後、お醤油で塩気の調整をします。ここはどうぞお好みでブレンドしちゃってください。

そして混ざったところにねりごまを少しずつ入れて、泡だて器でよく混ぜ混ぜします。女王はさらっと系が好きなので、鶏肉のゆで汁(出汁が出てるので捨てません)を少し足してのばします。ピリッとさせるなら唐辛子を入れてもいいでしょう。

野菜と一緒にサラダ感覚で召し上がれ

あとはきゅうり、トマトと一緒に盛り付ければ完成です。女王宅ではむね肉を上記の方法で下ごしらえしてストックしているので、思いついたらバンバンジーやチキンサラダ、チキンライス、鶏ぽん酢など、瞬間芸であれこれ作れます。夏は麺を足してバンバンジー冷麺などもいいですよね。

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にんにくの芽と豚こま炒め

皆さん、「にんにくの芽」はお召し上がりになりますか? スーパーで1袋100円台で売っている庶民の味方です。文字通り、にんにくが発芽した茎の部分で、にんにくの香りはしますがマイルドです。そして何より食物繊維やビタミンが豊富。中でも注目したいのが「ビタミンB1の吸収を助ける」はたらきです。

ビタミンB1は疲労回復、エナジーチャージのビタミンで、夏バテや美肌ケアに効果絶大。豚肉に豊富に含まれていますので、にんにくの芽と豚肉の炒め物はパーフェクトなメニューと言えます。しかもすごくお味の相性がいいんです。お安いこまぎれでボリューム満点のおかず、今夜あたりいかがでしょう。

肉にかたくり粉をまぶしておきます

このメニューのポイントは、肉の下処理にあります。というか、手間はそれだけです。にんにくの芽から香りが出るので、あれこれと香辛料も必要ありません。豚こま切れ(切り落とし)を適当な大きさに切り、軽く塩こしょうを振って酒をちょろっとかけて混ぜておくと、数分で肉が水分を吸い込みます。そこへかたくり粉を薄くまぶせばスタンバイOK。

中華の調理では肉に水を吸わせて加熱するテクニックがよく使われます。パサつかせず肉汁をたっぷり閉じ込める効果があるようで、今回は酒を染み込ませ、かたくり粉で旨味を封じ込めることで、お安いこま切れを2段階ほどブーストいたします。

汁が出にくいので、お弁当にも

中華鍋やフライパンに油を注ぎ、よく熱したら食べやすい大きさに切ったにんにくの芽を入れて、表面に油をまとわせます。きれいでツヤツヤのグリーンになったら、スタンバっている豚肉ちゃんを投入。ほぐすように炒めます。

そこへ合わせておいたみりんと醤油、あればオイスターソースを加え、ささーっとなじませて終了。お肉にかたくり粉がまぶしてあるので、汁が出ません。美味しい味はすべてお肉の表面にはりついております。残ったらお弁当にもおすすめです。

ただし、かたくり粉は味をキャッチする能力が高いため、鍋の上から醤油やみりんをそのまま注ぐと、場所によって味にムラが発生してしまいます。必ずあらかじめ混ぜて好みの味に調整し、鍋肌から注ぐようにして全体に行きわたらせてください。仕上げに一味唐辛子を振っても美味しいですよ。

女王家のしみしみから揚げ

女王の厨房では何種類かのから揚げを作りますが、鶏むね肉のから揚げは、ご注文から1週間ほどお時間をいただきます。どんなオーダーメイドだよと思われるでしょうが、実は味を浸み込ませるために冷凍をいたします。化学的な理屈はよくわかりませんが、解凍するときに調味料が吸い込まれるようで、非常にジューシーでやわらかな絶品から揚げにあります。

味付けしてから一旦冷凍庫へ

鶏むね肉は、黄色い皮の脂肪をお掃除して、繊維を断ち切るようにカットします。皮がきらいな方は取り除いてください。女王は大好きなので全体に広げるようにしてまんべんなく皮をつけます。

このカットしたお肉を、たれに漬けます。お醤油2:酒2:みりん1+にんにく、しょうが、塩少々、こしょうお好みで。ジッパー付きポリ袋に入れ、しっかり空気を抜いて、冷凍庫へ。冷凍する期間は、だいたい3日~1週間。鶏肉が故郷の冷蔵庫を忘れて、冷凍庫に馴染み始めたころに現実に引き戻します。

解凍すると味が中までしみしみ

解凍は、必ず冷蔵庫内で。室温に置くと水分が出てしまい、パサパサのお肉になってしまいます。ぜひ低い温度で時間をかけて、じわじわと戻してあげてください。この最中に味がお肉に入っていきます。

完全に解凍したら、衣をつけます。女王は薄力粉とかたくり粉の半々です。ここへほんの少量のベーキングパウダー、または重曹を加え、鶏肉のつけ汁ごと混ぜてしまいます。これを中温の油でかりっと揚げれば完成。熱いうちにかぶりついてみてください。「えっ、胸肉ってこんなジューシーだった?」と思われますよ。