「アレ」で膨らむかんたんマーラーカオ

「蒸しパン」って意外と簡単です

コロナ自粛のせいか、スーパーからドライイーストが消えましたね。王宮御用達スーパーにも全然なくて、もっぱら蒸しパンを作っております。普通のパンだと発酵に時間がかかりますが、蒸しパンなら思い立って30分後には口に入るので、せっかちさんにもおすすめです。

この女王レシピは生地がゆるめで初心者に扱いやすく、確実に膨らむよう「酢」と「重曹」の化学反応を利用しています。今回は醤油とごま油で風味を加えた、中華蒸しパン「マーラーカオ」をご紹介します。ぜひアレンジでいろいろ蒸しパンメニューを増やしてみてください。

蒸し器があれば最高、ない場合は

蒸しパンですから、当然蒸します。でも、最近は蒸し器がないご家庭も多いと思います。そういう場合は大きめの鍋の底に高さのある皿などを伏せ、その上にお皿を置くなど簡易蒸し器を作られるといいでしょう。ただ、これで蒸すとやや水分が多くなってしまいがちです。

ちなみに女王の厨房ではこのような蒸し籠を愛用しておりまして、まあこれで蒸すとふくふく大魔神に仕上がるので超~おすすめです。くれぐれもレンジでチンは避けてくださいませ。カチコチでとても食べられないパンになります。

小さめサイズが8個できます

蒸しパンを作るとき、大きな型で蒸すのも豪快でいいのですが、中まで火が通らなかったりして失敗しやすいです。なので、この型を使います。型というか、お弁当に入れる総菜カップですね。100円ショップで売ってます。8号という大きさのカップで8個できます。

女王の蒸し籠が直径18センチで、一度に4個蒸せます。いつも2回に分けて蒸しますが、がんばってギュウギュウにしないでくださいね。膨らんだ時にくっついたり形が歪んでしまいます。蒸しパンもソーシャルディスタンスは大切です。

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手順は「混ぜるだけ」でOK

蒸しパンのいいところは、テクニックがいらないところでしょう。基本的に1つのボウルで混ぜるだけ。小学生に作らせたことがありますが、見事に成功しました。1回作れば、次からはスピーディーに作れるようになりますよ。

マーラーカオは「醤油」が決め手

さて、材料です。マーラーカオって茶色いですよね。あれは、おしょうゆの色です。今回はお砂糖も懐かしい甘さのきび糖を使いました。普通の白砂糖でもOKです。作り始めると同時に蒸し器の用意もお忘れなく。混ぜ終わった段階で湯気が立っている状態にしておいてください。

  • 薄力粉 100g
  • 砂糖 50g(プラマイ10gで甘さを加減してください)
  • 重曹 小さじ1
  • ごま油 大さじ1
  • しょうゆ 小さじ1
  • たまご M1個
  • 牛乳 70cc (豆乳でもOK)
  • 酢 大さじ2(写真は黒酢ですが普通の酢でも大丈夫)
  • レーズン お好みで

まずは粉関係(小麦粉、砂糖、重曹)を合わせて均等になるよう混ぜておきます。小麦粉はふるっておくとダマになりにくいです。レンジで粉だけチンして冷ましてからふるうと、湿気が抜けてさらさらになります。

次は、酢を除く液体を混ぜ合わせます。酢だけは最後まで取っておいてください。泡だて器や菜箸で、たまごがしっかり混ざってしまうまで丁寧に。

粉がダマにならないよう、手早く

粉と水分を合わせます。一気にざーっと入れて、手早く練らないように混ぜてください。よーく混ざったらレーズンも入れてしまいましょう。このあたりで蒸し器の準備ができていると完璧です。がっつり湯気があがっている状態でスタンバイです。

ふわっと膨らませる魔法の「酢」

さあ、最後に酢を入れますよ。「酢なんか入れて変な味にならない?」と思うでしょうが、何度も試行錯誤し、この分量までなら熱で匂いが飛んでしまう、というバランスがこのくらいです。酢に敏感な方でも気づかない程度だとは思いますが、もしどうしても苦手な方は少し固くなりますが、分量を減らしてみてください。

「酢」を入れて何が起こるか。それがこの写真です。入れてさっとかき混ぜると、ぶわ~~っと体積が膨らんできます。そう、重曹と反応して炭酸ガスが出てるんです。ふっくら作るには重曹を多く入れるといいですが、それでは苦味が出ます。そこで、酢の力を使って泡を盛大に出しております。ただし、このガスは30分くらいしか持ちませんので、大量に作る場合はボウルを分けて、蒸す直前に酢を入れるようにしてください。

蒸しのポイントは火加減

蒸し物のポイントは火加減です。茶碗蒸しなんかは強すぎる火力だと「す」が立ってしまいますが、蒸しパンはけっこう強気に攻めて大丈夫です。それより鍋を使う場合は、落ちてきた水蒸気で台無しになるため、布巾を蓋に当ててしずくが落ちないようにしておいてください。蒸し籠なら何もしなくて大丈夫です。

花を咲かせたい場合は生地を固めに

はい、入りました。お玉ですくうよりカレースプーンの方がこぼれなくていいですね。一か所やらかしてますが気にせず蒸します(笑)なお、よく上部がパカーンと割れている蒸しパンを見ますが、あれは生地が固めで蒸気が強めでないと出来ません。このレシピは生地がゆるめなので、たぶん割れないと思います。割りたい方は水分を控えめにしてトライしてみてくださいませ。

蒸します。ガンガンに沸騰している鍋に蒸し籠をセット。本当は安定させる輪があるのですが、どこを探しても見つからず…このままいきます。蒸し時間は8号型の場合は12分程度です。ただし環境によりますので、あくまでも目安とお考え下さい。

初心者でも、ふわふわもちもち

出来あがり~~。ふかふかに仕上がりました。あまり熱々より、ほんのりあたたかいくらいが美味しい気がします。翌日の朝食にもいいですよ。これとバナナがあれば女王は大満足です。

ツヤもいいですね~。お客さんが来るとわかってからでも速攻で作れるので、スピードおやつとしては超優秀。抹茶入りとかナッツ入りとか、いろいろ遊べるので大好きです。

レーズンは底に沈みます

レーズンは、運が良ければたくさん入っているパターンです(笑)ゆるめの生地は底に沈みますが、どんまいです。くるみなんかは比較的まばらに入ります。パカッと割った断面、いかがでしょう。ふかふかなの、わかっていただけますでしょうか。お酢の匂いもいたしません。

アレンジ版:豆入り蒸しパン

こちらは白砂糖を使い、甘納豆をトッピングした蒸しパンです。この場合、油は入らないのでややしっとり感がなくなります。白砂糖はきび砂糖より甘みが強いので、甘くないのがいい人は加減してください。そして、甘納豆を乗せたらすぐさま蒸し器へ。あっという間に沈みます!

ちなみにこの生地、重曹とお酢を半量で作ってます。やはりふっくら感が足りませんね。お好みはあるでしょうが、初回は上記の量でお試しいただいた方がいいと思います。