ごま油が香る、めちゃうま「石頭火鍋」

今年の冬は「石頭火鍋」で決まりです

今回もまた台湾のお料理です。トップページのアイコンが台湾だらけになっておりますが、女王が家で作る料理はスタンダードな和食か台湾料理が圧倒的に多いです。しかも最近は本場に食べ歩きに行けないため欲求が高まっておりまして、食卓への登場回数が多くなりがちです。

そんな女王が冬になると作るのが「火鍋」です。中でもこの「石頭火鍋(スートーホウァゴウ)」は、ここ数年の大ヒット。現地で厨房を覗き、現地の主婦にしつこく作り方を聞いて(すまん)これだ、というレシピが完成しました。日本人の口にもよく合う鍋ですので、ぜひ冬のレギュラーメンバーに入れてあげてくださいませ♪

ごま油、肉、玉ねぎ、白菜は必須です

実は台湾でも店によって石頭火鍋の味は違います。澄んだスープ、沙茶醤ベースのスープ、麻辣味のピリ辛スープなど、「鍋底」と呼ばれるスープを選び、さらに好きな具材をチョイスしていく店が多いのですが、今日ご紹介するのは最もスタンダードな澄んだスープの石頭火鍋です。ごま油、薄切り肉、玉ねぎ、白菜が基本で、あとは家庭によってアレンジです。

まずはお肉に下味をつけます。肉は薄切り肉なら何でもいいですが、台湾ではたいてい「豚・牛・羊」から選ぶことになります。今回は豚肉で。350グラム使いました。約2人前です。酒を大さじ1杯ふりかけてください。

次に、お醤油。これも大さじ1杯。お箸でよく混ぜて全体に馴染ませます。お肉は水分を吸いますので、あっという間に吸い込まれます。手早くむらなく広げてください。これを30分ほど置いておきます。その間に野菜を切りましょう。

絶対に必要な味のベース、玉ねぎ。これは1個半くらいですね。2個くらい入れても大丈夫です。大きなものなら1個でも。見た感じでご判断ください。

あとは、ざく切りにした白菜。これも必ず。その他は白ねぎ、青梗菜、えのき、にらを用意しました。ここらは日本の鍋野菜と変わりません。台湾ではこの他に揚げたワンタンみたいなものや、貢丸という肉団子が入ったりします。そこらはお好みで。ちなみに台北で食べたのはこんな感じ。

最初に玉ねぎと肉を炒めます

石頭火鍋の大きな特徴は、「たっぷりのごま油が入る」「肉と玉ねぎを炒めたものが入る」です。お店ですと、お姉さまがやってきて目の前で炒めてくれたりします。その時の香ばしい香りも石頭火鍋の美味しさを盛り上げます。

ごま油はビビらずたっぷりと!

最初に鍋に油を注ぎます。なるべく濃厚なごま油を使いましょう。強火でガンガン熱したら、肉と玉ねぎを炒めます。この鍋は女王が30年ほど(実年齢を計算しないように)使っている業務用のアルミ鍋ですが、炒め物ができない鍋の場合はフライパンで炒めてください。土鍋だと割れるかもしれません。

大さじ2杯ほど、たっぷり入れました。味付けの要なので、ビビらずどっさり入れましょう。本場の人はもっと入れます。

油が熱々になったら、玉ねぎです。一気に炒めて、少し透明感が出てきたら肉を加えてさらに炒めます。肉はある程度でいいです。後で煮るので、ここでガチガチに炒めると固くなります。

火が通ったら皿に取りだしてスタンバイしてもらってください。このまま食べても美味しそうですが、鍋の具ですのでちょっとお待ちを。

あとは野菜を入れてスープで煮るだけ

肉と玉ねぎを取り出した鍋に火をつけ、さらにごま油を大さじ1(まだ入れるんかいw)足して、白菜、ねぎ、その他を重ね、真ん中に台湾式えのきフラワー(笑)やらなくてもいいですが、台湾の人これ好きよねw せっかくなのでやっときました。

そしていちばん上に、さっきの肉たまねぎ炒めを乗せます。鍋に当たる部分、野菜がジュワジュワ言ってますが、気にせず作業を進めます。

ここへ熱々のスープをジャ~~~~~~!っと注ぎましょう。鶏ガラスープの素を湯に溶かしたもので全然オッケー。ガラから煮だしたものだと、さらに風味がアップします。味付けは「ちょっと薄いかな」くらいがベストです。

しばらく火にかけ、野菜に火が通ったら最後にニラを散らします。春菊なんかもこのタイミングですね。ちなみにこれは具材の半分を煮ています。ちょっとずつ煮て、なくなったら2回戦に臨むのです(キリリ

できあがり!熱々がうまいっ!

この頃には部屋の中にごま油の匂いが充満して、お腹がグーグー鳴り始めます。ぜひ熱々をどうぞ。冷え性の人も足の先まであったまる、新陳代謝促進効果の高いお鍋です。

〆はご飯ではなく春雨が台湾式

なお、鍋の〆は日本式ですと雑炊になるでしょうが、こちらはぜひ春雨(冬粉:トンフェン)で。鍋の最中に水に浸しておき、最後に5分ほど煮ていただきます。味付けは塩のみ。これが最高~~にうまいです!

タレは「沙茶醤」が本格的。ぽん酢も美味しい

最後になりましたが、「タレ」について。台湾の鍋店では、よほど高級店以外はタレはセルフサービス。「佐料(調味料)」と書かれたコーナーに、いろんなものが置いてあります。それを自分の好みでブレンドするのが現地式。その中で、いちばん人気はこの「沙茶醤(サーチャージャン)」でしょう。

海老とか魚介を発酵させた、甘辛くてピリ辛(メーカーによる)の味噌なのですが、まあ台湾人はこれが好きでよく使います。女王も石頭火鍋の時は「沙茶醤+黒酢+にんにく+ねぎ」の組み合わせです。酢と醤油で食べる人もいます。

日本の鍋物と違って、タレはちょっぴり。元のスープに薄味がついているので、少しつけて食べるイメージです。下は台北の専門店のタレ。こんなちょこっと出てきます(おかわりできるけど)どうぞ一度お作りになってみて、好みのタレを開発してみてください。ちなみに沙茶醤は日本でもデパ地下や大きな食品店で手に入ります。