「どて」は赤味噌の煮込み料理
一カ月ぶりの投稿でございます。生きておりましたわ、公式行事(締め切りとも言いますわね)に追われておりまして、気がついたら大根が美味しい季節になっておりました。
そこで今回は、大根を美味しくいただく煮物、東海地方の「どて」を作ろうと思います。女王は大根とすじ肉で作りましたが、ご家庭によってこんにゃくが入ったり、いろいろあるようです。とりあえず下ごしらえさえ丁寧にしておけば、あとはほったらかしで美味しくなるので、ぜひ寒い季節に作ってごらんになってくださいませ。
下ごしらえだけ真面目にやるべし
大根とすじ肉は、それぞれ煮込む前に下茹でが必要です。ちょっとかったるいひと手間ですが、やるとやらないでは味に大きな違いが出ます。ここだけ真面目にやっときましょう。
大根は一口大に切って、水から茹でます。米のとぎ汁じゃなくて、普通の水で大丈夫です。10分くらいしっかり茹でたら、ざるにあげて冷ましておきます。これをやっておかないと、中まで味が浸みません。
次は、すじ肉。大根のゆで汁を利用して、大きいままさっと茹でます。表面の色が全体的に変わればOK。冷たい水でよく洗って、一口大に切っておきます。これは表面のアクや脂などを取るため。やっておくと臭みや雑味がなくなります。
まず下味で煮込んで放置
茹でた大根とすじ肉を鍋に平らに並べたら、上から水をじゃーっと注ぎます。ひたひたになるくらい。水面からちょこちょこ材料の角がかくれんぼするくらいです。そこへ出汁パックを置きます。輪切りの唐辛子、砂糖(女王家はきび砂糖を使用)を適当に。
「えー、適当なの」と思われるでしょうが、後で味付けは調整できるので、肉をやわらかくするための砂糖だと思ってください。よって多めよりは少なめ推奨。あとは酒とみりんを少々。写真の分量で大さじ1ずつくらいでしょうか。これも後で調整します。とりあえずこれで火にかけます。
途中、10分沸騰して出汁がでてしまったらパックを取り出し、さらに10分ほど煮込みます。そして火を止め、そのまま完全に冷ましてしまいます。もちろん、出てくるアクはすくってくださいませ。
夜に煮たものを朝まで冷まし、上に浮いている油をすくってきれいにしたものです。大根が透き通ってますよね。ここまで来れば、味付けに入れます。
味噌を入れて、煮込みの本番
はい、味噌です。八丁味噌が赤味噌と思っておられる方も多いですが、八丁味噌とは愛知県の岡崎城から西へ八丁(約870m)、岡崎市八丁村で作られていた伝統的な豆味噌のこと。なので、これは赤味噌です。そのままでは女王的に渋味がありすぎるので、信州みそを足します。本格的などてを目指す方は、ぜひ赤味噌100%で。
これをお鍋に溶いていきます。甘みと塩気のバランスに注意して、調整を行ってください。味付け自体は「ちょっと薄い?」と思う程度で大丈夫。どんどん煮詰めて濃くなります。とりあえず薄味で20分ほどコトコト煮ましょう。
冷ますことで、どれだけ味が浸みこむか
これは20分煮た後の大根。まーだ中までは味が染みてないですね。この状態で、また完全に冷めるまで放置します。さあ、どうなるでしょう。
はい、こうなります。完全にしみしみですね。しつこく火にかけるより、熱々を冷ます方が味はしみます。おでんもしかり。ここから最後の仕上げ炊きをして、味を決めていきます。
最後に生姜をたっぷり入れて
最終的にこんな感じに煮詰まります。最初、あんまり味を濃くするなと申し上げたのはこのためです。とろっと汁が濃厚になり、大根の甘みと肉のうまみが凝縮されています。もちろん、固かったすじ肉もぷりっとやわらかくなってます。そこへ風味付けの生姜をたっぷり。ざっと煮たら完成です。
ねぎをのせて出来上がり~~~。七味を振ってもナイスです。焼酎のお湯割り、冷酒、とっても合います。日持ちがするので、2~3日はつまみに困りませんわね♡
残った汁で、厚揚げの「どて」
全てのどてを食べつくしても、まだ汁が残っています。いえ、残してください。サイコロに切った「厚揚げ」を入れて煮込むと、もう1品できるんです。
わーっと炊いて、冷ますを2回くり返すとできあがり。豆腐から水が出るので、煮詰まることもなく美味しく出来上がります。(火加減は弱めで)
うーん、残り物とは思えません。「毎日どてで飽きたわ~」という方は、汁だけ冷凍保存もできますので、ほとぼりが冷めたころの手抜きおかずにどうぞ♪