かわいい!2色の「キャロット・ラぺ」

フランスのお惣菜、にんじんのサラダ

フランスの方が大好きなお惣菜のひとつに「キャロット・ラぺ」があります。細切りのにんじんをヴィネグレットソースであえた、とてもシンプルなサラダです。

レストランのメニューには載っていなくても、街のお惣菜屋さんには必ず置いてありますし、ご家庭でもよく作られるお料理です。きっと日本の皆さまも、お好きな方は多いのではないでしょうか。

今回は女王が最近ハマっている、2色仕立てのキャロット・ラぺをご紹介します。ちょっぴり甘めのフルーツビネガーでさわやかに。βカロテンたっぷりで、お肌や目にもよい健康惣菜です。

西洋にんじんと金時にんじんのコラボ

実はこのレシピ、お正月の残り物から生まれたのです。お節料理に使う「金時にんじん」が余ったので「これでキャロット・ラぺを作ったら色がきれいかしら」と思いついたのが最初です。さらに「西洋にんじんも足して、2色にしたらどうかしら」と試してみましたら、かわいいグラデーションカラーになりました。乙女心がうずきますわね♡

左が金時にんじん、右が西洋にんじん。金時にんじんは皮をむくと、もう少し濃い赤色になりますね。とてもビビッドで美しいので、ふだんのお料理にも使います。

金時にんじんは栽培が難しい東洋種

小ネタも少しはさんでおきましょう。なかなかスーパーで見かけない金時にんじん、お値段も西洋にんじんと比べてお高いですよね。その理由は、金時にんじんなど東洋種にカテゴライズされる品種は、西洋種に比べて栽培が難しいからなんだそうです。

また、金時にんじんは煮物にすると甘くて美味しいものの、生で食べるとパサパサして食感がいまいちなので、料理の幅が限られることも生産数が伸びない一因です。

ただし栄養価は非常に高く、あの鮮やかな紅色は「リコピン」によるものであり、トマトと同様に強い抗酸化作用があります。ビタミンAやβカロテンが豊富な西洋にんじんと合わせて、オイルを使った料理にすることは、栄養面でいえば理に適っていると言えるわけですね。

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包丁ではなくチーズおろしで

キャロット・ラぺを作るとき、包丁ではなくチーズおろしをご使用になる方は多いでしょう。フランスの方もたいていこれですね。調理用具店で「チーズグレーター」という名前で売っていました。チーズをおろすより、野菜に使用することが圧倒的に多いです。

上から下へ、押すように動かします

キャロット・ラぺには、この大きな丸穴を使います。お隣の横幅の広い刃は大根のペラペラしたのを作るときに使ったり、なにかと便利です。

こうして上から下へ押し付けるようにして使います。ない場合は包丁でもいいですが、これでやると表面がざらざらしてヴィネグレットソースと絡みやすくなります。

にんじん2本で8人前くらいできますので、コスパ優秀です。おろし終わったら乾燥する前に、てきぱきと味付けに入りましょう。

かくし味はグレープフルーツ

普通のヴィネグレットソースは、酢と油をベースにして各人のアレンジ少々。そこへ女王はフルーツの風味をプラスします。そのフルーツはこちら、グレープフルーツです。

白ワインビネガーと半々で割ります

もちろんこのまま入れませんわよ、絞ってジュースにいたします。市販の100%ジュースでも大丈夫。むしろ女王はいつもパックのジュースでちゃちゃっと作ります。

ソースと和える前に、にんじんはごく軽く塩を振って5分ほど置き、そっと絞っておきましょう。水洗い厳禁、グイグイ絞るのもいけません。水分を出すというより、しんなり食べやすい食感にするのが目的ですので、絞りすぎてぐったりさせてしまわないように。

ソースの配合は、グレープフルーツジュースと白ワインビネガーを半々、そこにオリーブオイルです。塩はさっき振ってますので、味をみて足りない分を少し加える程度で。あとはお好みでペッパーやスパイスを足して参ります。

女王はミックスハーブでアクセントをプラス

なお、干しぶどうを入れるレシピが多いですが、グレープフルーツを使うと甘くなりすぎる気がします。まあ、そこらはお好みでどうぞ。女王はたいてい、ミックスハーブをどばっと入れてしまいます。

使用したのはこちらです。アルゼンチンで買ってきたミックスハーブで、パセリとバジル、オニオン、ガーリックのミックスです。日本でも乾燥パセリやバジルは手軽に手に入るので、好きなブレンドでお使いになるとよいと思います。

冷蔵庫で寝かせたら出来上がり

混ぜ混ぜしたら、冷蔵庫で味がしみ込むまで寝かせましょう。細切りですので、そんなに長くは置かなくて大丈夫。1時間も入れておけばしっかり浸透します。

ほらっ、微妙に濃度の違う赤系のグラデがラブリーでしょう♪ 生だと少しパサパサした金時にんじんも、ソースがしみ込むとしっとり食べやすくなります。

はい、出来上がり。いつものキャロット・ラぺも美味しいのですが、お客様のときなんかにお作りになると「なにこれカワイイ♡」と盛り上がるかもしれません。ぜひ金時にんじんを手に入れたらお試しいただきたいラブリー・サラダです。