香港で食べた「油菜」を再現

香港式、青菜の美味しい食べ方

アジアの青菜料理って本当に美味しいですよね。各国それぞれに調理法や味付けが違い、いくら食べても飽きないのがいいところ。中でも女王は「油菜(ヤウチョイ)」が大好きです。

油菜=茹で青菜料理の総称です

「油菜」は香港式の茹で青菜料理をあらわす総称で、最初は「アブラナ?」と思ったけどヤウチョイと発音します。きっと香港のお粥屋さんや飲茶屋さんで召し上がった方も多いでしょう。

一見、茹でてオイスターソースをかけただけかしらと思いますが、さにあらず。日本に帰って真似して作っても、どうも水っぽいので香港で作り方を盗み見してきました。食に対する女王の執念です。お陰で美味しく作れるようになりました。

お店で持ち帰りもできますよ

こちらは焼味(香港式ロースト)のお店で持ち帰りをした油菜。どうしても旅行中は野菜が不足しがちですが「唔該油菜(ンゴイ、ヤウチョイ)」でヘルシーな副菜が買えます。もちろん、油菜は普段のおかずにも大活躍。短時間で誰でも美味しく作れるので、覚えておいて損はありません。

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使う野菜はお好みでOK

油菜に使う青菜。これはお好みで構いません。香港では「芥蘭(ガイラン)」と「菜心(チョイサム)」が二大勢力ですが、日本では入手が難しいので女王は青梗菜や小松菜などで作ります。ちょっと茎が太くて葉がしっかりしているものがよいでしょう。

ブロッコリーの仲間「芥蘭(ガイラン)」

参考までに「芥蘭」はこのような青菜です。wikiさんから借りてきました。英語では「Chinese Kale」というんですね。アブラナ科の緑黄色野菜で、キャベツやブロッコリーの仲間だそうです。そういえば味はブロッコリーに似ています。

Gailan

最近は日本でも栽培されているらしく、ブロッコリーと交配したのが「スティックセニョール」なんですって。あの茎が長いブロッコリー、そうだったのね~。

菜の花みたいな「菜心(チョイサム)」

一方こちらは「菜心(チョイサム)」。香港のスーパーでよく見かけます。菜の花チックですね。茎が芥蘭より細いです。ちなみに香港やマカオではみんなチョイサムと呼びますが、それは英語名。中国語の正しい名前は「ツァイシン」なのです、ややこしや。

Chinese vegetable 027

オイスターソース以外の味付けも

それ以外の菜っ葉でよく見かけるのが、レタス。広東語だと「生菜(サンチョイ)」と表記されます。「生菜だからサラダ?」と思ってオーダーすると、火の通ったレタスが山盛り出てきますのでびっくりなさるかも。

あとは、夏場に流通する「通菜(トンツァイ)」。これは「空芯菜」のことです。ストロー状になっているものを「通」と言うのでしょうか、香港ではマカロニも「通粉(トンファン)といいます。

他にも様々な野菜が油菜になります。また、その野菜に応じてオイスターソース以外の味付けがなされることもあり、シンプルながら実に奥深い料理です。

美味しさの秘訣は「油」にあり

では、油菜の作り方です。最初、女王が「水っぽい」と思った原因は二つありました。ひとつは茹でるお湯です。

茹でるお湯に塩と油を加えます

日本の料理でも、青菜を茹でるときは塩を加えて色よく仕上げますよね。あれは香港式でも一緒です。しかし、厨房にいらっしゃる料理人さんの手元を見ますと、何かをチラッと入れておられるんですよね。

行儀悪くじーっと観察させていただき、謎が解けました、油を入れておられるのですね。これを早速やってみたところ、格段に野菜の味が濃くなりました。一生もののテクニックです。ブロッコリーやスナップえんどうなどを茹でるときにも活用しております。

仕上げ油をジャーッとかけます

もうひとつ、よりコクを出したいときには、熱した油を仕上げにジャーッとかけると濃厚な味わいになります。ただし、普段のおかずでそこまでやる方は少ないでしょう。女王も油を入れたお湯で茹でて、しっかり湯切りをするだけでお終いです。なんせ、「手抜きの女王」ですから。すぐに食べられなきゃイヤンなのです。

なお、茹でるときには芯の部分を先にお湯に入れて、葉の部分は湯通し程度にしておきましょう。女王は最初に切り離してしまい、茹でた後でせっせとお店のようにきれいに並べて盛り付けます。バラバラでも味は変わりませんが、やはり気分の問題で(笑)

オイスターソースにこだわって

最後はオイスターソースを添えてフィニッシュ。これはせっかくですから味にこだわって選びたいですね。女王は香港やマカオで李錦記のものを購入して使っています。

左はXO醤。オイスターソースをベースにして魚介の旨味をプラスした特製ソースです。こちらは日本でも手に入ると思います。右は干し貝柱いりのオイスターソース。これが滅法美味しくて、油菜には欠かせないシーズニングです。

こちらはマカオの李錦記本店で購入したチューブ入り。オイスターソースってマカオが発祥なんですよ。漁師さんが大量に獲れた牡蠣を煮込んでソースにしたのが始まりらしいです。

そういえば同じ中華料理の国でも、中国本土や台湾では青菜は炒めて食べることが多いですよね。香港とマカオで油菜がよく食べられているのは、きっとこの美味なるソースがもたらした食習慣なのかもしれません。