冬が旬、「九条ねぎ」のパスタ

「九条ねぎ」は晩秋から冬が旬

京都の名産品「九条ねぎ」。ご存じのように京都は碁盤の目に町が作られており、御所を起点に南下するごと条数が増えていきます。京都駅が八条なので、九条はその少し南。ここらで作られていたおねぎが、九条ねぎです。

一年中出回っていますが、旬は晩秋から冬。今からぐっと美味しくなってくる季節なので、ぜひスーパーで見つけたらあれこれ作ってみてください。濃い色で太めの品種と、黄みがかった薄い色の細ねぎがありますが、よく見かけるのは太い方。やわらかで甘みが強く、内側に独特のぬめりがあります。

ちなみに伝統的な栽培方法は、秋に種まきをして春に植え替え、夏に株を掘りだして天日で乾燥させ、また植えて晩秋に収穫という、めちゃくちゃ手のかかるものらしいです。さすがお公家さんが趣味で作った京野菜。平安時代から品種改良が盛んだったのかしら。

具材は、きっぱりと「ネギだけ」

この九条ねぎをどっさり使ったパスタ。なんと、具材はねぎ一択でございます。もちろん、ベーコンやパンチェッタ、豚バラなどを入れても美味しいとは思うのですが、まあ一度は「ネギだけ」を体験してみてください。シンプルですが、とても贅沢な味わいが楽しめます。

なお、使用するパスタは一般的なスパゲティ、1.5mm ~1.7mm前後のものがよろしいかと思われます。リングイネなどでもいいのですが、細長いねぎとの絡みは、やはりつるんとしたパスタの方がよいように感じました。

ロングパスタには、斜め切りで

ロングパスタにしっかりねぎを絡めるため、このように細い斜め切りにいたします。ねぎうどんなどにも有効です。麺をリフトしたときに、がっつり巻き込みます。根元の白い部分と、葉先の緑の部分は熱の通りが違いますので、分けておいてください。

調味料はシンプルに香りよく

シンプルなパスタですから、味付けも基本は塩味で。ペペロンチーニの要領でおやりになると間違いないですが、女王の厨房ではちょっと変わった風味でいただきます。

台湾で買ってきた「花椒油」、これは油に花椒(中国の山椒)の香りを移したもので、ない場合は普通の油と粉山椒で代用できます。それと、これも台湾の「雛粉(粉末チキンスープ)、こちらは鶏ガラスープの素で。

ねぎのシャキシャキ感を残して

熱した油でネギの白い部分を炒め、茹で上がったパスタと茹で汁を少々。調味料をざっとなじませ、ネギの青いところを入れてささっと炒めて出来上がり。

お食事としてもいいですが、おつまみにもなかなかよろしいです。決して九条ねぎを炒めすぎないでください。甘みもシャキシャキ感もなくなります。ぜひ、冬の美味しい時期にお試しいただきたい、大人のパスタです。