テクいらずの煮込み「ぼっかけ」

「ぼっかけ」は神戸の名物料理ですわ

王宮ではフィレやサーロインがメインですが、女王は「すじ肉」も嫌いじゃありません。よーく煮込むと味わい深くて、比較的お値段がお安いのも魅力的です。今日はそんなすじ肉の煮込み料理、「ぼっかけ」をご紹介します。

「ぼっかけ」は、女王が若き日を過ごしたコーベ王国、西側の領地にある長田という町の名物ですの。シンプルな牛のすじ肉とこんにゃくの煮込みですから、他の地方でも似たお料理があるかもしれませんね。

コーベ王国ではこの煮物を、焼きそばや焼きめし、お好み焼きの具材として使うことが多いのです。もちろんそのまま召し上がっても美味しいですが、その場合は少し薄味に仕上げられた方がよろしいでしょう。

牛すじは3種類ございますのよ

ひと口に「牛すじ肉」と申しましても、3つの種類があるのをご存じでしたでしょうか。

白いコラーゲン質の「アキレス」、ハラミ筋の「メンブレン」、そしてぼっかけに使用する「赤身すじ」。写真のような、いちばん普通のお肉に近いルックスのものです。おでんやカレーの材料として、お使いになる方も多いでしょう。

この「赤身すじ」を適当な大きさに切ってボウルに入れ、熱湯を一気に注ぎます。表面の色が変わったらすぐにザルに引き上げ、冷水で洗えば下ごしらえ完了です。

こうすることで肉の表面の余分な脂を落とし、臭みもなくなります。下ごしらえなしでも作れますが、お味がアップするのでぜひなさってみて♡

こんにゃくは手で肉と同じ大きさにちぎり、水の入ったボウルに放置。10分おきに2回水を取り替えたらOK。こちらも独特の匂いを抜くための作業です。手でちぎるのは味をよりしみこませるためのテクニック。面倒なら包丁で切っても構いません。

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あとは火にかけるだけ、お鍋ひとつで完了です

あとはお鍋に水と材料、調味料を放り込んで煮たら完了です。材料ふたつ、お鍋ひとつ。あれやこれや揃えるのは面倒ですものね。これぞ「ラクして美味しい」手抜き王国にふさわしい一品です。

調味料は、醤油、みりん、砂糖少々、酒、生姜スライス。甘さは砂糖の分量でお好みに調整してください。煮詰まると味が濃くなりますので、初めは「薄いかしら」という程度がよろしいと思います。

なお、圧力鍋をお持ちの方はカンタンですが、普通のお鍋ですとなかなかすじ肉はやわらかくなりません。女王はいつもしばらく煮て、完全に冷ます。これを何度か繰り返してやわらかくします。時間はかかりますが、コンロに放置ですので手間ではございません。

いろんな料理にアレンジしてください

「ぼっかけ」出来上がりました。彩りとしておねぎを散らしてみましたが、練り辛子もよく合いますのでお試しを。
女王はこれをアテにビールを飲むのが大好きです。ご飯にかければ「ぼっかけ飯」となり、がっつり系のランチなどにもぴったりです。
なお、長田では「本庄軒」というぼっかけ焼きそばの店が有名で、このぼっかけを小さく刻み、ソース焼きそばの具材として使用します。甘辛いぼっかけの汁とスパイシーなソースが絶妙で、それを卵で巻いた「ぼっかけオムそば」は、ぜひ神戸にいらしたら召し上がっていただきたいもののひとつです。

こちらは女王のアレンジ「ぼっかけ炒飯」です。ぼっかけ以外はおねぎのみ。仕上げに紅ショウガで引き締めます。以前、飲食店をやっていたとき、これが誰かの前に運ばれると、店中で一斉にオーダーが入りました。それほど食欲をそそる香りがするのです。

ぼっかけは冒頭でもお話ししましたように、「ぼっかけうどん」や「ぼっかけのお好み焼き」、玉子焼きの具材などにも重宝します。煮込みですので日持ちがしますし、あれこれ工夫して新メニューをお楽しみください。

なお、冷凍するとこんにゃくの食感が変わり、ちょっとコリコリとした感じになります。お好きな方もおられるでしょうが、そのままの味を保持したい場合は、冷凍ではなく冷蔵で食べきってしまわれることをおすすめします。

 

↓女王がいま欲しい圧力鍋がこれ。
3000円ちょいなの。
飲み会1回ガマンね(笑)