待って、その煮汁を捨てないで
今回のお料理は、手抜きの中の手抜きと言ってもよろしくてよ。しかもお味は最高。残った煮汁にたまごを入れて固めた、お一人様ウン10円グルメなんですの。おっと、王族が原価計算なんてしちゃいけませんわね♪
用意していただくのは、たまごと煮汁。そして少々の薬味。それだけです。ただし、煮汁に条件があります。それは「煮こごり」になる煮汁であること。逆に言うと、そのような煮汁をお捨てになるのは罪ですわ。ぜひたまごとマリアージュさせて、美味しく召し上がってくださいませ。
プルプル煮こごりの予感がしたら
さて、ではどのような煮汁が煮こごりになるかですが、ざくっといえば「骨の髄からゼラチンが出た汁」ですね。鶏の手羽元、手羽先、骨のしっかりしたお魚。そのような煮汁は冷えるとゼリー状の「煮こごり」になります。そんな煮汁が残ったら、ぜひ捨てずにキープです。
煮汁はざっと漉して、お肉のかけらやお魚の小骨なんかを取り除いておきます。もし固まっていたらさっと加熱して溶かし、室温まで冷ましておいてください。
そこにたまごを割り入れます。個数は煮汁の味付けの濃さにもよりますが、これは手羽元の煮つけの残り汁、お玉1杯半くらいにL玉たまご4個です。M玉なら1個増やしてもいいでしょう。
火加減と、火を止めるタイミング
たまごの料理は、加熱によって成功と失敗が分かれます。こちらは比較的アバウトに加熱してもいい料理ですが、それでも強火で加熱しすぎると台無しになるので、よく様子を見ながら作ってください。決してよそ見などしてはいけませんわ。
ネギを投入したら、火にかけます
たまごと煮汁をミックスし、きれいに混ざったらおネギのみじん切りを入れます。しそや木の芽でもいいですね。「具を入れたいわ」という方は、少量の野菜などを混ぜこんでもいいですが、あまり入れるとうまく固まりませんのでご注意を。
混ざったたまごを鍋に入れ、最初は中火、固まり始めたら弱火に落として、シャカシャカと「いりたまご」の要領で混ぜていきます。このときお箸を4本使うと、きめ細かいたまごになりますよ。
とろとろで火を止め、器で冷やして
さて、とろとろ状になったら火を止めましょう。熱しすぎていりたまごになってしまわないように。その半固形のまま、お好きな容器に流し入れます。熱々のうちにやってくださいね。
丸い器に入れてみました。すきまなく表面をならして、このまま冷まします。まだこの時点では液状に近く、冷ましている途中で液が上がってきたりしますが、冷めると固まるので大丈夫です。
なお、ラップをかけるときは上にふわっと乗せるだけにして、熱の逃げ場を作っておいてください。キッチンペーパーをのせておいてもいいです。粗熱が取れたら冷蔵庫で完全に冷やします。
数時間後、つるんぷるんの出来上がり!
こちら、粗熱が取れたものを4時間ほど冷蔵庫で冷やした状態です。器から出すときは、薄いゴムべらで間にすきまを作りながらひっくり返すとうまくいきます。
心配でしたら容器にラップを敷いておくといいですが、ゼラチンで固めていますのでつるんと取れて扱いやすいです。このまま食卓に出してもかわいいでしょう?
温めず、冷たいまま召し上がれ
カットしてみました。ちょっと飾り付ければオードブルにもなります。今回は和風の煮汁で作ったので少し茶色がかっていますわね。コンソメ味などでお作りになれば、一気に洋風なルックスになると思われます。
口に入れた感じは、ぷるん、つるん、としたオムレツといった感じ。そして中からがジュワ~という、ちょっと新感覚の食感でございます。
ひとつ注意していただきたいのは、あくまでもこちらは半熟状に加熱したたまごを、ゼラチンで固めているもので、加熱すると崩れてしまうのです。ぜひ冷たくキープして、食卓にお出しになったら早めに召し上がってくださいませ。
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